大判例

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福岡高等裁判所宮崎支部 昭和25年(う)496号 判決

刑事訴訟法第二五六条には、起訴状には公訴事実を記載すべきこと、公訴事実は訴因を明示してこれを記載すべきこと、訴因を明示するには、できる限り日時、場所及び方法をもつて罪となるべき事実を特定してこれをなすべきことを規定している。しかして、その特定とは、他の訴因と紛れることのない程度に日時、場所、方法、物件等によつて罪となるべき事実を特定すれば足りるのである。そこで、今、所論起訴状記載の公訴事実をみれば、被告人等は共謀の上第一、法定の除外事由のないのに屠肉を食用に供する目的をもつて、昭和二三年一一月中旬頃より同年一二月上旬頃までの間五回に亘り、屠場外である宮崎市下原町所在宮崎畜産加工合名会社肉処理室において、豚一頭、牛四頭を屠殺解体し、第二、前記日時場所において、屠殺解体した豚一頭及び牛二頭の屠肉に被告人森川が所持していた宮崎県検査豚及び宮崎県検査牛と彫刻した公務所の検印である記号をスタンプインクを使用して擅に夫々押捺し、もつて不正に公務所の記号を使用し、とあるから、右第一については五個の訴因、第二については三個の訴因からなりたつているものと認むべきことまことに所論のとおりではあるが、しかし、右記載は、日時、場所、数量、品種等と相俟つて罪となるべき事実を他の訴因と区別し、その同一性を認識させるに十分であると思料されるので、前示訴因は罪となるべき事実を特定しているものと解するのが相当である。さすれば、本件公訴が無効であるとの所論は採るに足らないし、従つてまた、本件公訴が無効であるとの前提のもとに原判決を非難する論旨は理由がない。

(註。本件は刑訴法第三七八条三号後段に該当するにより破棄自判)

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